富士山でのトイレ利用のルールとマナー
富士山吉田口には約15件の山小屋があり、それぞれの宿泊者の他、一般登山者に対してもトイレを提供しています。また、山梨県(スバルライン五合目及び富士山安全指導センター)が公衆トイレを設置しています。
バイオ式や燃焼式、汲み取り式などの環境配慮型トイレの整備はすすみ、ほぼ全ての山小屋において改良型のトイレが整備されています。山頂にも環境省が環境に配慮した山頂公衆トイレを整備し、設置しています。
トイレの利用上の注意を守りましょう!
富士山の登山道や頂上にあるトイレは都心などと異なり、水洗式ではありません。トイレの形態はいくつかあり、また利用方法はトイレによって異なります。
トイレへは余裕をもって入り、周りの説明書きを読み、そして用を済ませるようにしましょう。
ゴミの投入は絶対に禁止!
トイレへのゴミの投入は禁止です。異物を投入すると故障の原因となります。絶対に投入しないでください。
※トイレが故障し常駐するスタッフで修理できない場合は、修理のためのスタッフの派遣、部品の調達と運搬が容易ではありません。また、修理作業が天候に左右され遅れることもあります。使用禁止になることで、混雑が悪化し待ち時間がさらに長くなります。
使用済みのトイレットペーパーもゴミ箱へ!
富士山のトイレは、備え付けのトイレットペーパーも便器内に捨ててはいけません。「備え付けのゴミ箱へ」と注意書きが有りますので、使い終わった紙はゴミ箱へ捨てましょう。
小銭の準備を!
トイレを利用する際は、100円から300円程度の協力金(チップ)をお願いしています。ご協力ください。
- 富士山保全協力金は山小屋等のトイレの維持管理費には使われません。
- 富士山のトイレは、現地での一次処理後の廃棄物を麓まで運んでから処理します。ま た、現地での清掃要員の人件費、建物のメンテナンス、焼却式のトイレでは燃料費や燃料の運搬費など、維持管理には莫大な費用がかかります。(山頂トイレの年間維持管理費:約5,000万円)
富士山には両替所はありませんので、登山前に小銭を多めに用意しましょう。小銭が無い時にトイレを利用したくなった場合は、山小屋が近くにあれば山小屋でトイレ利用のための両替をしてもらいましょう。
富士山には水がありません!!
富士山にはとにかく水が有りません。トイレ掃除に使える水も限られています。利用者の皆さんがきれいにトイレを使うよう心がけて頂ければ使う水の量も少なくてすみます。ご協力をお願いいたします。
トイレの位置
- 富士山では公衆トイレと山小屋のトイレが利用できます。
- 登山道・下山道ともに、トイレがほとんどない区間があるので、予めトイレの位置を確認し、計画的に利用しましょう。
- 特に、山頂トイレや吉田ルート下山道七合目トイレは非常に混み合うため、計画的に利用しましょう。
※吉田ルート下山道には山小屋がありません。下山道七合目トイレが混み合うため、山頂トイレや六合目トイレ(下山道七合目から30分程度の距離)の利用をお願いします。
- トイレの場所は、下記よりごらんいただけます。
富士吉田口 トイレMAP
- 山頂民間共同トイレ:焼却式&バイオ式
- 御来光館:浄化循環式
- 本八合目トモエ館:簡易浄化槽
- 富士山ホテル:焼却式
- 元祖室:浄化循環式
- 白雲荘:汲取廃棄式
- 蓬莱館:浄化循環式
- 太子館:簡易浄化式
- 東洋館:浄化循環式
- 鳥居荘:焼却式
- 富士一館:焼却式
- 鎌岩館:焼却式
- 七合目トモエ館:浄化循環式
- 日の出館:焼却式
- 花小屋:浄化循環式
- 下山道 七合目公衆トイレ:浄化循環式
富士山のトイレが込み合う時間
特に混みあうのが、頂上でご来光を見ようとして多くの人が頂上付近にいる時間帯です。 頂上でご来光を見ようと考えている人は、事前にトイレを済ませておくようにしましょう。 また、ご来光を見終え、多くの人が一斉に下山を開始するタイミングでも人が混みあいます。特に、多くの人が下山の際に利用する吉田口方面の下山ルートを利用する人は注意しましょう。
富士山のトイレの種類
バイオ式トイレ
バイオトイレはオガクズの微生物が汚物処理をし、有機質肥料に変えることで自然へとリサイクルするトイレです。
特徴
- 水を使わない(普通のオガクズを利用しています。)
- 室内の空気は外へ流れるので室内はきれい&無臭です。
- 微生物が汚物処理をし、有機質肥料にするので、環境に優しいトイレです。
浄化循環式(カキ殻)
水洗式トイレで、複数の処理水槽内でし尿を微生物の働きにより分解し、汚水を浄化します。一部の処理槽内にカキ殻の束を入れることで、微生物の生育環境や水質改善の効果が期待されます。
特徴
- 浄化された水は洗浄水に再利用されます。
- 利用者が多いと洗浄水が茶色ににごる場合があります。
燃焼式トイレ
石油や灯油を燃料とし、し尿を回転させながら蒸発・乾燥・焼却するくみ取り不要の汚物処理システムをもつ燃焼トイレです。
特徴
- ダイオキシンが発生しないように高温で焼却しています。
- 燃えるものは全て灰になり、悪臭なども少なくすみます。
- 焼却灰はふもとまで搬出し廃棄物として処分します。
汲取廃棄式
し尿を地下に設置したタンクに一旦貯め、一定量溜まったら汚物を汲み上げ、ふもとに降ろし処理する方式です。
富士山にはし尿は一切残らず、麓の高性能な浄化槽で処理されるため環境も保全されます。
特徴
- 燃焼などの圧縮せずにそのまま運ぶため、汲み上げ・運送のコストが嵩みます。
「してはいけない!」富士山トイレのNG ワースト3
No.1 「長居をする」「泊まる」
長居は、用をたす行為のみを目的とせず、寒さしのぎのために利用するような行為を指します。信じられないかもしれませんが、あまりの寒さのためか、トイレに1晩泊まってしまう様な方もいます。そのほか、長く利用するのも、他の利用者にとって迷惑のため、行ってはいけません。
No.2 「化粧をする」
化粧は鏡を持参して外でするようにしましょう。
特に、頂上の下山ピーク時などに頂上のトイレで化粧直しをすると、多くの利用者の迷惑になります。
No.3 「煙草を吸う」
トイレでの煙草は厳禁です。特にオガクズ式のトイレでは煙草の火が便器の中に入ることで火災が発生する可能性もあります。トイレでの煙草の使用は一切やめましょう。