With コロナ時代の新しい富士登山マナーをご案内します。安全で楽しい富士登山を楽しんでいただくために、ツアーにご参加される方には、登山2週間前からの体調管理や、アルコール消毒シートなど感染対策グッズの準備などご協力をお願いしております。マナーを守って安全な富士登山ツアーをお楽しみください。
基礎疾患(=持病)(呼吸器疾患、心疾患等)を有する場合や、年齢等による高所登山への健康不安がある場合は、高所の低酸素が症状を悪化させること、マスクの着用が困難になること、高山病との区別が難しいことから、事前に医療機関で富士登山に関するアドバイスを得てください。
また、登山前2週間と登山当日に以下の項目のうち一つでも当てはまる場合は、登山を中止してください。
新型コロナウイルスに感染すると、無症状の場合でも急激に呼吸器官などの症状が悪化し、生命に危険が及ぶこととなる可能性があるため、健康不安がある方、または、体調が優れない方は、絶対に登山をしないでください。
また、コロナ禍の遭難救助は、防護対策等により例年に比べて時間がかかるとともに、救助活動者に大きな負担をかけることになりますので、万全の体調で登山を行ってください。
以下を確認し、同行者の人数や構成メンバーに合わせた感染対策を行いましょう。
※この登山マナーは、主に同行者(登山を実施するひとまとまりの団体、あるいは個人)以外との感染防止を目的として作成しています。同行者間における感染対策については、各自の責任において実施をお願いいたします。
同行者の人数が多い場合は、さらに少人数のグループに分け、グループごとに行動してください。これにより、感染者発生時に、同行者全体での感染拡大を抑え、グループ内での収束が可能となります。
富士山には毎年多くの方が訪れ、特に、週末やお盆の時期にはご来光を求めて山頂付近の登山道で渋滞が起きています。登山中の密を避けるため、登山計画を立てる際には、富士山の「混雑予想カレンダー」を活用し、混雑している日や混雑時間帯、混雑ルートを回避することを心がけましょう。また、山小屋の前や登山道など、山頂以外の場所からご来光を見ることも検討してください。混雑を避けてゆったりとご来光を味わうことができます。
富士山の山小屋は事前予約制です。感染対策として、宿泊定員を大幅に制限していたり、各山小屋で提供しているサービスが例年と異なっていたりする場合もあります。山小屋に宿泊する際は、必ず事前予約またはツアーでのご参加をお願いします。また、山頂でご来光を見たい方は、山頂や山頂付近での密集・密接回避のため、必ず山小屋やツアーを予約してください。
なお、富士山では、自然公園法で、テント泊は禁止されています。
富士山の山小屋情報
(富士登山オフィシャルサイト)
弾丸登山(宿泊をともなわないご来光目的の夜間登山)を行うと、疲労や睡眠不足により体力や集中力が落ちて事故が起きやすく、高山病にかかれば命にかかわる場合があります。また、ご来光の時間帯に登山者が集中し、登山道や山頂が過密状態になる恐れがあります。
ご来光を目的に登山を行う場合には、事前に山小屋を予約し、無理のない登山を行いましょう。
感染対策を行いながらの登山は時間がかかります。富士登山オフィシャルサイトや各山小屋のホームページ等で登山道や山小屋の情報を十分に確認した上で、登山ルートごとの所要時間等を十分に考慮し、平時より余裕のある登山計画を立てましょう。
また、追跡調査対応のため、同行者全体の代表者を配置し、代表者はすべての参加者の氏名・住所・連絡先を把握してください。参加者からも、責任者(または旅行会社)に連絡が取れるようにしておきましょう。また、下山後2週間以内に新型コロナウイルスに感染していることが判明した場合には、責任者(または旅行会社)に連絡してください。
登山状況は常に変化する可能性があるため、出発前にも改めて最新情報を確認してください。
登山中の感染対策として、以下のものを持参してください。また必要な持ち物は各自で用意し、同行者以外の人とは物品を共有しないようにしましょう。
※新型コロナウイルスの消毒に有効とされている以下のものを含有する製品を推奨
a.70%以上のアルコール
b.0.05%以上の塩化ベンザルコニウム液(一般名:逆性石けん)
※山小屋に泊まる方は、上記に加え、山小屋の案内に従って必要な持ち物を持参しましょう。
同行者(登山時の同グループ)以外の人とは、ソーシャルディスタンスを少なくとも2m確保してください。会話を控え、ソーシャルディスタンスが確保できない場合や登山道でのすれ違い時には、原則、手ぬぐいやマスクなどを利用してください。
なお、ソーシャルディスタンス確保のために登山道を外れて登山を行うことは絶対に止めてください。落石を起こし、下を歩く登山者に怪我等を負わせるおそれがあります。
口と鼻を覆うマスクや手ぬぐいなどの着用は、原則以下の場合に行ってください。
・挨拶を行う場合には、声を出す代わりに、ハンドサインや会釈などにより対応しましょう。
・すれ違いで毎回マスクを着脱することは困難なため、出発時にザックのショルダーベルトに手ぬぐいをくくりつけ、すれ違い時に口と鼻を覆う方法が実践しやすいです。
・ただし、フェイスカバーが濡れている、呼吸が苦しい等の場合は、無理してフェイスカバーをせず、ソーシャルディスタンスの確保に努めてください。
山域では、一般的に「登り優先」による譲り合いが推奨されていますが、富士山では道幅が狭く急登のため、登り下りともに行列ができることがあります。特に狭い道や岩場など通過に時間がかかる場所、渋滞が発生している場合には、密にならないよう注意しながら交互登下山にご協力ください。ただし、安全誘導員がいる場合には、その指示に従ってください。
呼吸が荒くなりすぎないよう、無理のないペースを維持して登ってください。激しい呼吸は、通常の呼吸より唾液の飛沫が多く、感染リスクを高める可能性があります。無理な追い越しは避けてください。また、無理のないペースでの登山は、高山病予防にも有効です。
同行者以外の人とは、物品を共有しないでください。例えば、写真撮影の際、同行者以外の人とはカメラの受け渡しを控えてください。登山道コースを表示するために張られている杭やロープ等への接触も避け、原則、手摺り代わりに使用しないでください。
公共設備(トイレ、売店、休憩所、鎖等)利用後は手指消毒を徹底してください。
各自のゴミや吐物は、感染拡大防止の観点から密閉する必要があります。持参した密閉式保存袋(エチケット袋等)に入れて必ず持ち帰ってください。
登山中に、以下の項目のうち一つでも当てはまる場合は、登山を中止し、下山してください。
※登山ガイド同行の場合はガイドの指示に、山小屋宿泊の場合は山小屋の指示に従ってください。
また、上記に該当する者との濃厚接触の恐れのある人も、症状の有無にかかわらず、下山してください。
コロナ禍の遭難救助は、防護対策等により例年に比べて時間がかかるとともに、救助活動者に大きな負担をかけることになりますので、体調のさらなる悪化を防ぐため、速やかに下山してください。