西沢渓谷は、秩父多摩甲斐国立公園内の原生林に囲まれた笛吹川の上流にあり、自然が創り出した素晴らしい渓谷美が楽しめます。渓谷に沿って遊歩道(トレッキングコース)が整備され原生林に囲まれた清流や滝などをトレッキングをしながら楽しめる大変おすすめのスポットです。
西沢渓谷の魅力
自然が創り出した清流・滝と渓谷美を、手軽に整備された遊歩道(トレッキングコース)で存分に楽しむ事が出来ることです。
森林浴とマイナスイオンで癒され、地元ならではの食材を使った料理は素朴ながらも味わい深い料理。療養地としてだけでなく、山菜料理などの地元料理などが堪能できます。大小さまざまな滝や四季折々の草花、見事な紅葉などが素晴らしいものとなっています。
西沢渓谷の見どころ
ここからは、豊かな自然と癒やしの空間である西沢渓谷の注目ポイントをご紹介します。
いくつかのポイントを抑えておくだけで、西沢渓谷のトレッキングがより充実の内容になること間違いなし!季節によって移り変わる素晴らしい景色は、春夏秋冬で、それぞれで違った表情をお楽しみいただけます。
清流
西沢渓谷を流れる、清流の澄み切った美しい水の色は、たとえようもない美しさとなっています。
清流からはマイナスイオンが生まれ、周辺の豊かな森林と共にリフレッシュできます。日々忙しく動きまわっている現代人にとってはこの森林浴がかなり効果的です。
滝
日本屈指の渓谷美を誇る西沢渓谷の中でも見応え抜群なのが、なんといっても滝です。西沢渓谷を訪れる人のほとんどが、これらの滝を見に来ていると行っても過言ではありません。大小さまざまな滝があり、そのどれもが見応えのある素晴らしい滝となっています。
清流が創り出した渓谷美には、渓谷を遡りながら 三重の滝、竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝が渓谷に流れ落ちる素晴らしい眺めが続き、クライマックスには七ツ釜五段の滝が待ち受けています。
三重の滝
三重の滝は、その名の通り三重(三段)になった滝で、七ツ釜五段の滝の前座とも言える所です。落差は約10mほどで、それほど水量はありませんが、釜を介して流れる様は風情があります。流水も美しく、感嘆の声があがることも多々あります。
竜神の滝
三重の滝を見た後はちょっとしたスポットを見て回って竜神の滝に到着します。小さな滝ですが、周囲の岩場や木々とのコラボレーションは素晴らしく、なんだか落ち着いた空間になっています。竜神の滝まではゴツゴツした岩の道になっているので注意が必要です。
七ツ釜五段の滝
西沢渓谷の最大のハイライト、日本の滝百選に選ばれている「七ツ釜五段の滝」。5つの滝と7つの滝壺があることから名付けられており、滝全体の落差は約50m、ひとつひとつの滝は、上から滝の落差は3m、4m、2m、9m、10mとなっています。
滝の姿を一望することは難しく、ハイキングコースからは、上流部と下流部それぞれを眺められる場所があります。夏は新緑に囲まれた清々しい姿、秋は国内27種のカエデのうち25種をはじめとして、紅や黄色に、滝を取り巻く木々が色づいて錦を織りなします。
12月1日から4月28日の間、冬の眠りに着く西沢渓谷で、七ツ釜五段の滝が厳冬期の僅かな期間にだけ姿をあらわす凍瀑は、装備と経験を積んだ者だけに見ることが許される荘厳な姿を見せます。
大久保の滝
西沢と東沢が分かれ、東沢に架かる二俣吊り橋を渡り、ハイキングコースを分け入って行くと、渓谷の中で最初の滝となるのが大久保の滝です。
ハイキングコースの対岸に見える大久野の滝は、落差30mほどの直瀑となっていて、木々の間を水量豊かに、大久保沢から西沢へと流れ落ちています。ハイキングコースの帰路となっている森林鉄道跡は、大久保沢を大きく迂回しているので、大久保の滝上流部の様子を見ることが出来ます。
貞泉の滝
儚い恋のようにか細く西沢へと流れ落ちる、恋糸の滝を過ぎてまもなくすると、落差6mの水量が豊富で迫力のある貞泉の滝があります。迫力ある滝の姿を、滝見台から間近で眺めることが出来るようになっています。
美しいコバルトブルーの水を湛える大きな滝壺は、周囲を岩盤に囲まれていることから、滝の流れ落ちる音が、より一層大きく渓谷に轟き渡ります。
不動滝
七ツ釜五段の滝から少し登ったところにある不動滝は、西沢渓谷ハイキングコースの最奥部にある滝となっています。七ツ釜五段の滝のあとという事もあり、その姿はささやかなものとなっていますが、滝壺の水の色と流れの美しさは、小さいながらも眺め続けてしまう魅力を持っています。
不動滝を過ぎると、ハイキングコースは急な斜面を登る階段となり、ひたすら階段を登って行くとハイキングコースの折り返し地点の滝の上展望台があります。渓谷を取り巻く山々の姿と、渓谷を流れる水音を聴きながら一休みすることが出来ます。
人面洞
川の流れはいつも一様ではなく、その時々に様々な流れ方をするもので、長い年月を経ることで岩肌が浸食されて削り取られて行きます。その岩肌の姿が、見る人によっては人の顔のように見えるので、人面洞と名付けられました。
高さ3mほどの滝の向こう側の壁面をじっと眺めてみると、複雑な岩肌の模様の中から、色々な顔貌をした人の顔を見ることが出来るかも知れません。どのような顔を見ることが出来るかは、その人の心象次第ということになるでしょう。
母胎淵
落差2mの滝横にそっと佇むように、まるく大きな馬蹄形の開口部が見られ、エメラルドグリーンの水を湛える穴は、その姿形から母胎淵と呼ばれています。
川の流れと直角にどうしてこのような穴が出来たのか、長い年月を経て生まれた甌穴だと言われています。小石や礫と川の流れだけで、このような姿の穴が出来たとは、自然の力の大きさと不思議さを思わせられます。
西沢渓谷は一方通行でハイキングを楽しむことになっていて、不動滝の上にある滝の上展望台が、ハイキングコースの折り返し地点となっています。滝の上展望台から西沢渓谷入口までは、ところどころに西沢渓谷を遠望することが出来る、遊歩道として整備された森林軌道跡を歩きます。森林軌道跡は、昭和8年から昭和43年まで、三富村と塩山駅との間、全長36kmの三塩軌道が走っていた一部区間で、途中には線路が見えます。