気をつけたい事故事例

富士山の事故原因 ワースト7

ワンシーズンに約30万人が登る富士山では、病気やケガなどによるさまざまな事故か発生しています。富士山で起こりやすい事故とその原因を事前に知って、安全な富士登山を目指しましょう。

ハイキング感覚はNG! 万全の装備と体調で!

近年のブームもあって、気軽な感覚で登ろうとする人が後を絶たず、富士山での登山事故が増加しているます。富士山は空気が薄く、気圧も低いので体には大きな負担がかかりり、さらに独立峰であるため気象環境も極めて厳い山です。つまり富士山は、スニーカーにジーパン姿のハイキング感覚で登れる山では決してないということ。装備や体調を万全にして臨まなければ、命を危ぶまれる事故に遭遇する恐れもあります。こうした事実としっかり向き合って、しっかりと準備をし、安全な登山を心がけましょう。(協力:富士吉田警察署)

高山病

気圧の低下により体調が悪化

夏山遭難の原因のほとんどは高山病をはじめとした病気によるもの。標高が高く気圧の低い富士山では、体内の酸素量が少なくなってしまいます。このため疲労感や脱力感、頭痛、食欲不振、さらに重症になると吐き気や嘔吐などの症状が現れます。

こんな人は注意

  • 初めて登山をする人
  • 体力を過信している人
  • 知識・経験不足の人

予防法&対処法

普段から体を鍛える

最低でも登山の1ヵ月前から体を鍛えて、酸素の少ない高地での過酷な運動に備えましょう。

十分な睡眠と体調管理

直前の睡眠不足は厳禁です。登山当日は山小屋を利用し、ゆっくり休めるようにしましょう。もちろん深酒もNGです。

体を高所順応させる

急激な標高の変化に体を慣れさせるため、富士山五合目に登山開始まで1時間程度は滞在してください。

体を冷やさない

体温が下がると体力も奪われます。雨具や防寒具、着替えなどの装備はきちんと携行してください。

自分に合ったプランに申し込み

自分はもちろん同行する方(一緒に行かれる方)の体力・経験などに見合ったプランに申し込みをしてください。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

富士登山競争に参加の男性 (59歳)が係員から棄権を促されたが競技を続行。間もなく倒れ、病院に搬送された。

事例2

豪雨の中、ウインドブレーカーのみの男性(23歳)が低体温症になり、自力下山が困難に。救助隊に救助された。

骨折・捻挫

気の緩みから下山時の転倒する方が続出

転倒して骨折や捻挫などをするケースが多くみられます。転倒の主な原因は「不安定な状態の浮き石に足を置いたためにバランスを崩す」「体力不足で足腰の踏ん張りが利かない」など。また、ほとんどが下山中に発生していることから、登頂後の気の緩みも大きな要因といえます。

こんな人は注意

  • 体力や技術を過信している人
  • 中高年の人
  • 体力不足の人

予防法&対処法

体を保護する服装で

靴は足首まで固定できる登山靴を履きましょう。また長袖、長ズボンを着用し心擦り傷などを防ぐ様、心がけてください。

危険個所の把握

登山前に地図や指導センターで、急斜面や悪場など転倒しやすい危険個所を調べておきましょう。

浮き石を踏まない

登山道にはグラグラと不安定な状態の浮き石が多数ります。踏まないよう注意してください。

最後まで気を緩めない

下山時こそ油断大敵です。登り同様、こまめに休憩を取りながらゆっくりと慎重に下りましょう。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

男性(48歳)が八合目付近を下山中に、岩石の多い場所で足を取られて転倒。右足を骨折しヘリで救助された。

事例2

七合目付近を下山中の女性(30歳)が砂利で足を滑らせ転倒。左足首を捻挫し、救助隊に保護された。

道迷い

一人にならない様、常に仲間と一緒に行動しましょう

夏の富士山では登山道から外れるようなことがない限り、道迷いで遭難にまで至るケースはありません。
一方、仲間とはぐれたり、分岐を目違えて、予定とは違うルートを進んでしまう場合があります。視界の悪いときには、特に注意が必要です。

こんな人は注意

  • 地図を見ない人
  • フリープランで参加の人
  • 登山が初めての人

予防法&対処法

登山道・下山道から外れない

登山道に沿って歩き、分岐では地図を確認し、間違った方向に進まないよう注意してください。

グループから離れない

自分や仲間か遅れそうになったときは声をかけ合い、一人にならないようにしましょう。

気象状況の把握

天気が悪くなると視界不良になるため、荒天が予想される際は心構えをしておきましょう。

緊急連絡手段の確保

道に迷った場合や仲間とはぐれた場合の緊急連絡手段をあらかじめ決めておきましょう。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

ツアー参加の女性が不明となり捜索したところ、分岐で道を間違え、須走口に下山していたことが判明。

事例2

帰りのバスを利用予定の男性が、下山しないため捜索したところ、報告なく自宅に帰宅していた。

落石事故

起こさない当たらない周囲への注意喚起も

7月始めの雪解けや梅雨、台風などの時期には、地盤がもろくなり落石の危険性が高まります。またピークシーズンは登山者が増えることで浮き石による落石が増えます。落石に当たらないよう注意するのはもちろんですが、落石を起こして自分自身が加害者にならない様に注意することも大切です。

こんな人は注意

  • 登山経験の少ない人
  • 中高年の人
  • 単独登山の人

予防法&対処法

危険個所の把握

事前に地図、指導センター、山小屋などで落石の起こりやすい場所を調べておきましょう。

整備された登山道を歩く

登山道を外れると、地盤かもろく崩れやすい場所があるため落石の危険が高まります。

音に注意する

周囲の音に耳を傾けて、カラカラと小石の崩れる音か聞こえたら注意。大きな落石の前兆という可能性もあります。

周囲への注意喚起

落石を発見したり、自分が落石を起こした場合は「落石」と大声で周囲に知らせましょう。

岩陰やくぼみに避難

落石に気づいたら、岩陰やくぼみに身をかがめるなど落石のコースから速やかに避難してください。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

友人と登山中の女性 (29歳) が九合目 で落石に遭遇。額を挫創し、富士山レンジャーに救助された。

低体温症・熱中症

寒さと暑さ厳しい気象に備える

下界は真夏でも富士山頂の気温は真冬並みです。風雨ともなれば体感温度はさらに下がり、低体温症を引き起こすこともあります。一方、好天時は熱中症に注意して。六合目を過ぎると高い木がなくなり、直射日光にさらされるため、だるさやめまい、頭痛などを起こしやすくなります。

こんな人は注意

  • 初めて登山をする人
  • 体力を過信している人
  • 知識・経験不足の人

予防法&対処法

気象に応じた装備の準備

入山前に気象情報を確認して装備を整えてください。

濡れた衣服は着替える

衣服が雨や汗で濡れたらすぐに着替えましょう。濡れたままでいると体温低下の原因になります。

帽子と水分補給

熱中症を防ぐために帽子をかぶりましょう。また、こまめに休憩を取り、水分や塩分を補給してください。

異常があればすぐに手当てを

体に異常を感じたら無理をせず、すぐに救護所や山小屋で手当てを受けて、症状の悪化を防いでください。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

富士登山競争に参加の男性 (59歳)が係員から棄権を促されたが競技を続行。間もなく倒れ、病院に搬送された。

事例2

豪雨の中、ウインドブレーカーのみの男性(23歳)が低体温症になり、自力下山が困難に。救助隊に救助された。

滑落事故

バランス崩しと雪・凍結に注意

突風でバランスを崩したり、岩や雲の上で足を滑らせたりすることで、斜面を滑り落ちてしまう滑落事故。骨折などの重傷や、最悪の場合頭部損傷や内臓破裂で命を落とすケースもあります。残雪のある7月上旬、降雪や凍結の始まる9月に登山する場合は特に注意してください。

こんな人は注意

  • 技術・知識を過信している人
  • 中高年の人
  • フリープランの人

予防法&対処法

ルート状況の確認

滑落事故の起こりやすい危険個所や崩落個所がないか、事前に調べておきましょう。

体力・技術に合わせた計画

滑落事故は、下山時や疲れたときに起こりやすいので、体力や技術に合わせたプランに申し込みましょう。

気象状況の把握

降雪や凍結、突風になりそうな天候や気温の変化がないか、気象状況をネットなどで把握しましょう。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

九合目付近を下山していた男性(27歳)がバランスを崩し、約10m滑落。右足太腿部を負傷し救助された。

事例2

事例2八合目を登山中の男性(45歳)が数日前に降った雪で足を滑らせ、約10m滑落。左足首を捻挫し救助された。

落雷事故

雷に遭わないための行動と情報収集を

落雷事故は件数としては少ないのですが、発生すれば即、命にかかわる恐れがある怖い事故です。
雷雲の中に入ってしまったら金属類を体から遠ざけ、登山道の鉄ピンは落雷する可能性があるので近づかない様にしましょう。

こんな人は注意

  • 登山経験の少ない人
  • 中高年の人
  • 単独登山の人

予防法&対処法

気象情報の入手

雷は地上と上空との湿度差が大きいほど発生しやすくなります。山梨県側の場合は甲府盆地と山頂の気温差が25度以上になれば要注意です。

雷に気づいたらすぐに避難

登山中、積乱雲の発達に気づいたり、雷鳴か聞こえたりしたら速やかに山小屋に避難しましょう。

金属を遠ざけ身を低くする

万が一、雷雲の中に入ってしまったら金属類を体から遠ざけ、岩のくぼみやシェルターなどを利用してできるだけ低い姿勢で通過を待ちましょう。

鉄ピン、ロープに近づかない

登山道の鉄ピンに落雷する可能性があるので近づかない様にしましょう。またロープにも電気が流れるので触らない様注意してください。

ホントにあった怖いトラブル&事故

事例1

8月の午後1時50分ころ、下山中の男性に落雷。右肩から両膝にかけてヤケドを負い死亡した。

これを読めば、あなたも今日から富士登山マスター!

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